ミナモザの劇評などをピックアップ

今回の企画で、3つのなかで初めて御覧になる劇団がある方は多いと思います。「Aは観たことがあるけどBとCは初見」な方や、「AとBは見た事あるけど、Cだけ初めて」の方もいるでしょう。全部初めての方もいると思いますし、全部制覇してる最強の演劇・小劇場マスターな方もいらっしゃると思います(笑)ひとつの劇団を入り口に他の劇団も気に入ってもらえたら、それこそオーガナイザーとして嬉しい事はありません。

そんな入り口の拡張としまして、今日はミナモザの劇評をいくつかご紹介します。

近年の作品をふたつ。まずは2011年1月に三軒茶屋シアタートラムのネクストジェネレーションに選抜され、再演が決定している『エモーショナルレイバー』。振り込め詐欺もヴァージョンアップを繰り返して進化してますが(なんか最近の「オレカノ詐欺」ってなんなんすかもう・笑)、その振り込め詐欺の現場が舞台になっている傑作です。そしてもうひとつは、太平洋戦争末期に、既に疎開、戦争、人生に「飽きている」女が登場する『八月のバス停の悪魔』です。こちらは未見なのですが、劇評を拝見しても力作なのが伝わって来ます。 ※引用元を明記してありますが、リンク先に問題がある場合はこちらまで御一報下さい。

  • 『エモーショナルレイバー』劇評

じんのひろあきにも近そうな作家の、どこか社会を切り取るという切り口は実に冴えていて、ここ数作で比べても出色ではないかと思うのです。」
小劇場から大劇場まで幅広いシアターゴアー、かわひさんのblog『休むに似たり。』より一部引用。全文はこちらから。

「その内容も仕事が仕事だけに殺伐としてえげつなく、彼らの言葉使いや立ち振る舞いをみていると、これが女性の劇作家の筆から生まれたものとは俄に思えないくらいである。」
因幡屋ぶろぐさんから一部引用。全文はこちら。

「接点が無いだろう人種が「犯罪」で繋がることで、彼らが自分の「セカイ」に居ただけでは起こりえない会話が生まれる。演劇村では擁護されることが多い「自分探してます」的なネカフェ難民を、ギャルが「この人の話つまんなーい」と一言で砕くエッジってすごいじゃん。」
私、不肖ハセガワアユムが寄稿した、小劇場演劇、ダンス、パフォーマンスのレビュー&ニュースサイト『Wonderland』の年末回顧特集「振り返る 私の2009」より一部引用。全文はこちら。


  • 『八月のバス停の悪魔』劇評

「木村キリコという女優を観るためにここに通っている感のある昨今のアタシなのだけど、そういう意味では印象は変わりません。結構な数の、しかも初見ではない役者も結構出ているけれど、群を抜いている感じがして。」
同じくシアターゴアー、かわひさんのblog『休むに似たり。』より一部引用。全文はこちらから。

「事件すらコンテンツとして「消費」されているかのような印象すらある。今、演劇は何を提示できるのか。そして自分は演劇に何を求めるのか。束の間虚構の世界に浸ることで、疲れた心身を癒し慰めることか。そこから生きる活力を得られるだろうか。」/「戦争と自分探しというテーマに、不思議な符号を感じた。」
因幡屋きよ子(劇評かわら版「因幡屋通信」主宰)さんの寄稿。同じく、小劇場演劇、ダンス、パフォーマンスのレビュー&ニュースサイト『Wonderland』より一部引用。全文はこちら。

演劇ほど風と共に散ってしまう悲しいメディアを僕は知りません。演劇界の偉いひとに限ってDVDは見ないで「ナマじゃないとね〜」なんて言って何かが決定的に疎かになっている瞬間も感じます。そう言う人に限って結局本番は来れなかったり・・・。そもそもDVDだって面白いのは面白いし、ナマじゃなきゃ面白くない作品の方がよっぽど僕はナンセンスだと思うんだけんどな〜、と辛口になってしまいましたが(笑)そんな風が荒ぶなかで“劇評”は本当に制作者として、心から感謝したい宝物です。興味深く読んで戴けると思いますので、リンク先まで遊びに行ってみて下さい。余談ですが、最近演劇界でアツい佐々木敦さんは「DVDを見て面白かった」から劇場へ向かうこともあるそうで、DVDに対して偏見がないです。音楽業界にコミットされてることも影響ありとは思いますが、そのソフトへの偏見の無さと演劇の博愛に感動しました。ミナモザのDVDは(収録はしてるんだけど)表立っては販売していないみたいですが、劇評や舞台写真などで少しでも嗅ぎ取って頂ければ! ※ミナモザの舞台写真も見れる公演カタログはこちら。



余談ってほど余談ではないですが、MUではこの“視点”の公演に向けて、期間限定ですが過去の短編『×』をUSTで公開しています。以前にUSTで生放送した際に好評だったのでせっかくだしと、まるまる一本無料で見れます。現在よりハジけている部分も多いですが、根底に流れている視点や、主演の佐々木なふみ演じる人妻から滲み出てる匂いはMUのいまと地続きです。ぜひこちらもチェックしてみてください。

次回は鵺的の劇評をピックアップする予定です。
9月からは稽古日誌、また各作家へのインタビューなども更新します!
色んな“視点”を届けたいのです。

text hasegawaayumu(MU)

前売チケットは発売中です。
オープニングパーティーのある初日(21日)が売れて来てます。アットホームなパーティーでDJに、福原冠くんが決定しました。彼が来るとステージが素敵になるラッキーボーイです。1ステージ限定60席です。チケット予約フォームはこちら。

本公演は、アンケートや投票を活かした「コンペティション」な企画です。観客と相乗効果で盛り上がりたいと思っていますので、演劇口コミサイト「CoRich!」にある「観たい!」コーナーへの応援もお待ちしています。現在、続々と増えて来ています!ありがとうございます。
※当公演へ折込希望の団体の方はカンフェティからお申し込みください。